■「みんな一つになって政府を倒したい」背景には女性の立場の低さ
抗議の声は日本でも。
来日して30年になるイラン人のナシール・パルヴィジさん(58)も母国への憤りを募らせています。9日に外務省前で行われたデモで抗議の声を上げていました。
ナシールさん
「イランの自由のために命を奪われた人たちに万歳」

大規模デモはなぜ、ここまで世界に広がっているのか。
ナシールさん
「我々は今、みんな一つになって政府を倒そうと思っているんです。いまデモに参加している人たちはほとんどが若い人で、これからの自分たちのことが心配で」

ナシールさんは大規模デモが広がる背景にイラン国内の女性の立場の低さがあると話します。
ーー女性というのはイランの中でどんな存在?
ナシールさん
「(女性の立場は)弱い。すごく弱い。人間として見ていない、女性のことを。ただ子どもを産んで終わり。あとは家の面倒を見て終わり」
ナシールさんはイランに住む友人らを心配し、毎日連絡を取るようにしているといいます。知人女性に電話してみると…
ナシールさん
「もしもし聞こえる?」
女性
「元気?」
(音が途切れる)
ナシールさん
「聞こえる?」
ナシールさん
「つながってもこんな感じ」
電話は途切れ途切れ。ナシールさんによると、イランでは今、国内でデモが行われる日中の時間帯はイラン政府よってネットの通信速度が制限されているのだといいます。
電話口の、イランにいる女性に聞いてみました。
ーー今、世界に伝えたいことは?
女性
「自由、自由を…」

会話の途中、電話は切れてしまいました。
ナシールさん
「怖がっている。遠慮している。自分の気持ちをちゃんと伝えることができない」
今、イランの人たちが願うことは…
ナシールさん
「歴史的に1400年前からイランの女性だけじゃなくて、イスラム教の国の女性が人間じゃないという感じで生きてきたから、これからは女性も男性も同じように人間として生きていきたい」
