「もしトランプさんの意向をIOCが飲むとしたら、これは魂を売ることになります」
トランプ氏は、トランスジェンダーを排除するなど意に沿わない対象を除外して五輪を思い通りにするかもしれない。
しかし、五輪は開催の主体も費用を工面するのも開催地側だが、権限はIOCの方が握っている。開催地の意思というよりもIOCの意思の方が尊重されるのがこれまでだったという。それで東京五輪も苦労した…と元JOC理事の山口香氏は語る。ところがその山口氏も2028年はどうなるか読めないという。

筑波大学教授 山口香 教授
「パワーバランスが大きく崩れる可能性がありますよね。(中略)いいも悪いも今までIOCがグリッピングしてやってきた。色々な国の利益とか、関係を呑み込んで五輪をやってきたが、もしトランプさんの意向をIOCが飲むとしたら、これは魂を売ることになります。そうなると五輪を何のためにやるのかっていう議論にまでなる…。理念を捨てたら五輪の価値がなくなる」
五輪はIOCが実権を掌握していると言われる一方で、莫大な放映権をはじめとしてアメリカの意向を無視しては運営できないということも現実だ。それでも今までもアメリカはそれほどの無茶は言わなかった。だが、今度はトランプ氏だ。例えば戦争が続いている限りロシアを国として参加させないとしてきたが、トランプ氏が「プーチン氏を呼ぶぞ」と迫ったらIOCは「ノー」と背筋を伸ばせるのか?
筑波大学教授 山口香 教授
「伸ばせないと思います…。だから苦しい。IOCは今から…、言い方あれですけど、ビビってる…」
(BS-TBS『報道1930』3月18日放送より)