先発地震が必ず強い揺れを伴うとは限らない

今回の調査で、最も意外に思えたのが最大震度だ。

先発地震49例のうち、震度5(弱)~7の強い揺れが23(約47%)、震度1~4が26(約53%)となっている(図-9)。

震度4以下が過半数ということは、先発地震が強い揺れを伴うことは比較的少ないことを意味する。

図-9 先発地震49例で観測された最大震度

ただし、これについては多少差し引いて考える必要がある。

震度6(弱)以上の非常に強い揺れを観測した地震は7例あり、いずれも1990年代以降、比較的近年になってから観測されたものばかりだ。

震度観測点は2024年11月現在、全国に4,300箇所以上ある。けれども、阪神・淡路大震災が発生した1995年頃は約300箇所だった。

したがって90年代頃までは記録以上の強い揺れがあったとしても結果的に観測できていなかった可能性がある。

一方、先発地震の震源が深かったり、陸地から遠かったりした場合などは、強い揺れを必ず伴うとは限らない。

「震度4以下だから、大した揺れではないから注意情報が出るわけがない」と思い込むと見誤る可能性がある。

揺れの強さだけで注意情報発表の有無を素人判断するのは避けるべきだ。