気象庁が当初発表するマグニチュード(M)が6台でも基準満たす可能性

次にモーメントマグニチュード(Mw)とマグニチュード(M)に着目したい(図-8)。

図-8 先発地震49例のMwとM

先発地震49例のうち、Mwの最大値は9.1、Mの最大値は9.0だった。

どちらも東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)のデータだ。

一方、Mwの最小値は7.0で8例(約16%)あった。

このことから、基準ギリギリで注意情報が発表されるケースは決して少なくないことがわかる。

また、Mの最小値は6.3で2例あった。

M6台は計11例(約22%)あり、気象庁が当初発表するMが6台でも、Mwを精査した結果7.0以上と算出されて注意情報発表に至るケースも十分にありそうだ。

実際、表-1で49番の2012年3月14日の地震は、想定震源域外(三陸沖)で発生してMは6.9だが、Mwは7.0と算出され注意情報発表の条件を満たす。

たとえ先発地震の震源が域外でも、そしてMが6台であっても、地震発生直後のデータだけで「発表されないだろう」と見切るのは早計だ。