先月、那覇市にオープンした「終活スナック」。死について気軽に語れる場を提供する店には、幅広い年代の客が集います。カラオケの代わりにあるのはカンオケ。「死」を通して「生」を考える、ユニークなスナックを取材しました。

穏やかな表情で棺の中に横たわる男性。入棺体験のワークショップです。

入棺前、参加者が書いていたのは「弔辞」。誰に、どんな内容を読んでほしいかを想像して書きます。書き終えたら2分間の入棺タイム。あの世の旅へと見送られます。



その間に弔辞が読まれ、ほかの参加者は別れを偲び、言葉をかけます。2分間の旅を終えて現世にまい戻った参加者。心境にはどんな変化があったのでしょう。

▼入棺体験した女性(20代)
「どういう人生を歩んだらこう声かけされるんだろうなとか、死から逆算して人生についてすごく考えさせられる日になって、びっくりしています」

▼男子大学生(20代)
「非日常的な空間での体験だからこそ、普段忙しなく日常に追われて考えることができない自分の価値観とか、人生の豊かさについて考えるきっかけになったのかなと思います」

入棺体験を行っているのは、終活スナック「めめんともり」。沖縄の位牌「トートーメー」や、死の象徴とされるドクロの置き物、洗った骨を納める「厨子甕」などが飾られています。

▼めめんともり 村田ますみママ
「死について考えることは、ちょっと怖いな、タブーだなと思いますよね。でも実際オープンしてみたら、『こういう場所って必要だよね』と共感してくれる人が、想像以上にたくさんいたので安心しました」

店の主、村田ますみさん。去年2月「めめんともり」の1号店を東京に開店。20年前に亡き母の生前の希望で海洋散骨を行い、その地が沖縄だったことから、沖縄には特別な縁を感じています。

スナックとしては早い開店の午後7時。時間の経過と共に、客も増えてきました。

▼男性客(50代)
「50代なので、終活の話ができる仲間がいた方がいいのかなと思って来ました。でもみんな若い。もっと上の年代が集う場なのかなと思っていました」

時間が深くなってくると酒も進み、会話も弾む。そして話題は「理想の最期」について。