「アタマジラミ」って何モノ?

成虫になると、髪の根元に1日約3~4個の卵をうみつけるアタマジラミは、古くから人々の厄介者でした。

提供:KINCHO

「KINCHO」ブランドで知られる大日本除虫菊によりますと、日本では戦後にアタマジラミが大流行。しかし、有機塩素系殺虫剤「DDT粉剤」による大規模な駆除が行われ、昭和20年代後半には日本にシラミ類はほぼいなくなったといいます。

その後、昭和40年代半ば頃に海外との交流が盛んになったことで、国内に持ち込まれたということですが、昭和46年に日本ではDDTなど有機塩素系の殺虫剤が、安全性などを理由に製造・販売が禁止に。駆除薬がなくなったこともあり、昭和50年代の初頭からアタマジラミが再び流行し、小さな子どもたちを中心に確認されるようになったといいます。

提供:KINCHO

この状況を打開しようと当時の厚労省や国立感染症研究所などと、KINCHOがシラミ駆除薬を開発。感染者は減少しましたが、2010年代には年50万人以上も感染した人がいたとの推定が。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年ごろから、人の接触機会が少なくなったため感染者は激減。実際に直近10年で東京都内の各区市町村及び保健所に寄せられたアタマジラミの相談件数は、以下の通り。

【東京都内のアタマジラミの相談件数】
2014年:1602
2015年:1250
2016年:752
2017年:946
2018年:1000
2019年:1060
2020年:304
2021年:258
2022年:202
2023年:673

相談件数は、2019年には1000件を超えていましたが、新型コロナの感染者数が拡大した2020年~2022年の間では5分の1~3分の1程度まで減少。しかし、緊急事態宣言などの行動制限が解除された2023年は、感染者が増加。現在集計中ということですが、2024年以降のデータも増え続けているのではと予想されています。

では、アタマジラミを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。