動画編集した大学生「僕にとってはお金を稼ぐための手段」

別のクライアントから動画の編集を請け負ったワーカーもいる。

都内で一人で暮らす大学生。脚本家や動画クリエイターを目指しているという。

動画編集した大学生
「あくまでクラウドワークスは僕にとってはお金を稼ぐための手段かな」

2024年11月、兵庫県知事選直後に、斎藤知事の動画を編集する仕事を受けた。

クライアントから、約7分の動画が送られ、それを1分に“切り抜き編集”したという。

動画編集した大学生
「これが元動画です。素材動画を受け取って、自分でそれを見て、どこが1番魅力あるところかなって切り抜いて、その切り抜いた動画を(クライアントに)渡すって言うお仕事」

クライアントから送られたマニュアルには、レイアウトや字の色などを雛形通りにするよう指示され、過激な見出しの例も書かれていた。

大学生は、発注の意図をくみ、「メディアに打ち勝つ」とキャッチコピーをつけ、納品したという。

動画編集した大学生
「今の風潮・流れとしては、メディアをあんまりよく思ってないんじゃないですか。だから、切り抜き師もそういうことを考慮してメディアを批判するような動画をさらに作っていく」

村瀬健介キャスター
「斎藤知事を支持する気持ちはあったんですか?」

動画編集した大学生
「僕自身はこういうこと思っていないけど、そういうふうにしちゃった。お仕事としてやってるわけで。『真実なんかどうでもいいから、過激なことをやってくれ』というクライアントもいるので」

切り抜き動画には、自身のように、政治に関心がないワーカーが収入のために編集したものが多く、SNSの情報を信じるのは危険だと感じている。

動画編集した大学生
「真実かどうかよりも、極端なコンテンツほどたくさん見られるし伸びるし、それがたくさん見られると伸びるから、それが真実になる。極端なコンテンツほど真実になりやすいという特徴がSNSにはある。

同じようなコンテンツがもう無数にあるので、その数の分だけ本当に罪の意識が薄れていくのかなとは思います。薬物の運び屋って、あくまでも自分は何かを運んでいるだけ。麻薬ルートの一端になっているって気づかないじゃないですか。

自分は(動画を)作っているだけ。でもまさかそれが、大きな仕組みの一つになっていて、それが悪い影響を与えているか想像もできない」