「年金少ししかもらえない不安」
将来への不安を抱く氷河期世代の人も多くいます。九州で暮らす50代の佐藤さん(仮名)。
就職氷河期世代 佐藤さん(50代)
「やはりちょっと自分の年は、運が悪かったかなというふうに感じてます」
大学院で魚の生態系について研究をしていましたが、就職活動では約30社から不採用。正規の団体職員として初任給16万円で働き始めましたが昇給もほとんどなく、上司から離職を強いられ、退職することになったといいます。

佐藤さん(50代)
「(その後)非正規労働者として仕事をしながら、正規雇用の道を探すしかない状態。7つほど仕事が変わっています」

現在は、国の行政機関で非正規の公務員として1日6時間半、週4日働き、手取りは月に12万円ほど。預金を含めても、今、手元にあるお金は40万円程度で、趣味の社交ダンスもあきらめました。今は母親の年金を頼りになんとか生きながらえていますが、心配なのは自分の老後を支える年金です。

佐藤さん(50代)
「厚生年金を支払う額も少ないですし、国民年金も私が失業して、経済的に苦しいときには、猶予期間を申請して後払いにしてもらっている月もありますので、そういった意味では、年金が支給される歳になってもかなり減額されてしか支給されないのではないかという不安がある」

国の推計でも、氷河期世代である現在50歳の人が65歳時点で受け取る年金額は、4割が月10万円未満だとしています。約2000万人いる氷河期世代が、高齢者になりはじめるまであと10年ほど。
専門家は、今後、深刻な影響を受けるのは若い世代だと警鐘を鳴らします。

東京大学 社会科学研究所 近藤絢子教授
「氷河期世代が高齢期になった時に、無視できない割合の人たちが、年金だけでは生活できないような水準の年金しかもらえないようなことが起きる可能性がある。今の若い人たちは人口が少ないわけなので、上の世代の人口が多いということは社会保険料負担がのしかかってくる。氷河期世代が老後になる前に考えておかなければいけない」














