「震災を“自分事”として」

新妻さんはいま、大熊町の実家で生活しています。6年前の避難指示解除で町に戻った曾祖母の篤子さん(96)と祖母の栄子さん(75)。子どもたちの姿が心の支えとなっています。

曾祖母・篤子さん「学び舎ゆめの森という学校名にいつも関心する。よくああいう名前学校につけたなぁって」
祖母・栄子さん「(子どもたちがいると)元気が出るというか、生きがい。楽しみだね。若い人が帰ってくると生き生きするねと周りの住民と言っている」

震災前、町内には小学校が2校、中学校が1校あり、当時1000人あまりが通っていました。現在「ゆめの森」に通うのは、70人ほど。子どもたちのほとんどが震災後に生まれました。

小学4年生「(震災・原発事故の話は)だいたい聞いたことはあります。津波で全部なくなったとかは、ちょっと分かる」
小学4年生「あんまり分からないです。道路が割れたことしか知らないです」

教師として故郷に戻った新妻さんは、震災を知らない子どもたちに伝えたいことがありました。

新妻さん「経験していないから自分は関係ないではなく、子どもたちも経験していないけど、ここにいる以上は“自分事”として震災のことを捉えられるようにしていくのが、一番自分にできること、しなければいけないことだと考えています」