「福島への恩返し」夢だった教師に
おととし、町に戻った「学び舎ゆめの森」。小中学校と、こども園が一体となった全国でも珍しい学校です。2万5000冊の本に囲まれ、学校全体がまるで図書館のようです。
小学5年生「勉強について昔はあまり興味がなかったが、ここに来てから知識が増えて来てよかったと思います」
小学5年生「地域の人も来るので、地域の人を知ることや交流できる」
ゆめの森には、教室がありません。それぞれの時間、どこで授業を受けるかは自分たちで決めています。たくさんの選択肢から自ら選び行動する「子どもたちの主体性」を育てています。

学び舎ゆめの森・南郷市兵校長「原子力災害に直面して、避難をして感じたのは、教科書に復興の方法は書いていない。解のない状況でも、自分たちで仲間と力を合わせて前に進んでいく、そんな力を育てたい」
4年生の児童を受け持つ新妻詩織さんは、おととし、ふるさとの学校に赴任しました。
新妻さん「学び舎ゆめの森のある大川原地区は自分の家もある場所だったので、最終的には地元に戻って来られたらいいなと思っていたので、こんなに早いとは思っていなかった」
大熊町の大野小学校6年生の時に震災・原発事故を経験。会津若松市やいわき市で避難生活を送り、4年前、夢だった教師になりました。
新妻さん「自分が育った福島県に対する恩返しになるかなという気持ちが一番大きかった。学び舎ゆめの森ができるタイミングで戻って来られたのは、何か意味があるのかなと思って、地元だからこそできることは何だろうと考えたりとか、どういうふうに子どもたちと向き合うのかすごく考えながら準備をしていた」