「大変心苦しい判断だったが…」和歌山・白浜町は海水浴場を閉鎖

 一方、臨時情報への対応で、混乱が起きた場所もありました。和歌山県白浜町は、臨時情報『巨大地震注意』の発表を受け、白良浜海水浴場などを閉鎖、名物の花火大会も中止しました。かき入れ時の観光業にとって大きな痛手となりました。

 (紀州・白浜温泉むさし 女将 沼田弘美さん)「こちらが当館で人気の白良浜が見える部屋です。臨時情報発表後はキャンセルとなってしまい、非常に残念でした」

 温泉旅館『紀州・白浜温泉むさし』では、例年お盆の時期は予約でほぼ満室ですが、臨時情報発表を受けて約6割がキャンセルになったといいます。旅館組合に加盟する町内の旅館・ホテルの損失は5億円を超えました。

 (白浜町・観光課 川脇研太係長)「時期的に地域経済に対する影響が非常に大きいと想定されたので、大変心苦しい判断ではありましたが、安全・安心を第一に考えてこのような決定を行いました」

 白浜町は臨時情報が出た際の具体的な対応について事前に決めておらず、町長や経済団体の代表などが緊急会議を開き、海水浴場の閉鎖を決めました。

 (白浜町・観光課 川脇研太係長)「こちらで海水浴場閉鎖の判断について対応を協議しました。(Q最終的に海水浴場閉鎖を決めたのは?)町としての判断。(Q最後は町長?)はい、町長になります」

 国は観光施設の閉鎖やイベントの中止などは求めていません。そのため、旅館組合は「海水浴場の閉鎖まではする必要がない」と反対しましたが、決定は覆りませんでした。

 (白浜温泉旅館協同組合 沼田久博理事長)「倒産するところも出てくる。町のなかで非常に厳しい状態が起こるので、(海水浴場閉鎖は)『やめてください』と申し上げました。最終的には町長の判断でされることはもう分かっていましたから、『その後のフォローを必ずやっていただけるか』とお聞きしたら、『やりますよ』とは言っていただきました」

 その後、町は宿泊割引クーポン事業など、計5100万円あまりの観光支援策を決めました。海水浴場の閉鎖などは必要だったとして今後も同様の対応をとることにしています。