副大統領のドゥテルテ氏長女は弾劾…中間選挙控え“分断”加速か

マルコス氏との対立を抱えるのは、ドゥテルテ氏だけではない。長女のサラ・ドゥテルテ氏は次期大統領選の有力候補とされているが、2024年11月、自分が殺された場合にマルコス大統領夫妻らを殺害するよう「殺し屋を雇った」と発言するなど、マルコス大統領との亀裂は決定的となった。サラ氏は2025年2月に機密費の不正使用などの疑いで議会下院から弾劾訴追されており、今後上院で開かれる弾劾裁判で罷免される可能性もある。

(左:長女サラ氏、右:ドゥテルテ氏)

5月の中間選挙は上院の半数と下院、州知事らを一斉に選ぶもので、マルコス氏が優勢との見方もある。ただ、ドゥテルテ氏の逮捕を受けて、ドゥテルテ家の支持者らの反発が強まることは必至で、国内の分断と政局の混乱はさらに広がりそうだ。