津波にのまれながらも、何とか生き延びた岩崎さん。震災後は、被災した旅館を「避難所」として、地域の人々を支え続けるなど、“共助”や復興に尽力しました。そして現在は、全国各地で講演を行い「観光業における防災の重要性」を発信しています。

この日、岩﨑さんが講演したのは、「30年以内に80%程度」の確率で「南海トラフ地震」の発生が懸念されている高知県。
“最大クラス”の地震が発生した場合、高知では、土佐清水市と黒潮町で「34m」の津波が想定されています。
「東日本大震災」で、まさに“九死に一生を得た”岩﨑さん。高知の同業者らに「『来るものは止めれない』し、『来ると覚悟している』と思うんです。ですけど、生きられますから」と、希望の言葉を送りました。
同時に、訴えかけたのは「当事者意識の重要性」でした。
◆岩﨑昭子さん
「それぞれが『自分の役目』を果たさなくてはいけない時が来る、というのは、“想像”ではなくて“現実”で、それは明日かもしれないんです。本当に『いつかは自分が当事者なんだ』という気持ちを持っているのが大事なんだと思います」

◆岩﨑昭子さん
「『誰かだけが当事者』ではなくて、『必ず自分が当事者になることがある』というのを、みんなで改めて、思っておいた方がいいんだろうなと思います」
「3.11」のあの日、津波にのまれた「絶望的な状況」から生還した岩﨑さんの言葉を教訓に、私たち1人1人が「当事者」となって、“備え”を進めていくことが求められます。