東日本大震災から14年。福島県浪江町請戸の海岸では、日の出とともに震災をきっかけに福島に戻った男性が静かに手を合わせていました。

浪江町の男性「友人がいたが、津波で亡くなったので、そういうものもあって来た。少しずつ(復興が)進んでいる。自分も頑張ろうかなと思っている」
いわき市平薄磯の霊園でも、亡くなった人を偲び、朝から多くの人が祈りを捧げました。海岸沿いのこの地区では、津波で120人以上が犠牲になっています。

夫と義母を津波で亡くしたいわき市民(70代)「やはりこの日が来るのはつらいです。孫の顔を見ないでいったのが悔しい。見せられなかったのが残念です」
祖母を津波で亡くしたいわき市民(50代)「また家族で頑張っていくので見守っていてください」
浪江町の海岸では一斉捜索が行われ、今も行方がわからない人の手がかりを探しました。また、東京電力福島第一原力発の事故で多くの人の人生が変わってから14年、国は2月、原子力発電を「最大限活用するとして」原発回帰を明確にしました。
「非核の火」が灯る楢葉町の寺院で行われた追悼の集いでは…。
浪江町津島地区・馬場靖子さん「原発事故の怖さは長期にわたって住民に被害を与えることです。福島という地域は生き残ることができるのでしょうか。そんな不安を住民に与えることです」
県の追悼祈念式は、福島市で開かれました。
内堀知事「福島に思いを寄せてくださるすべての方々と力を合わせながら、全力で挑戦を続け、必ずや復興を成し遂げることを震災の犠牲となられた御霊の前で固くお誓い申し上げます」
遺族代表・大竹英子さん「恩返しの身近な一歩として、私がいただいた勇気や心の栄養、そして震災の経験について子どもたちに伝えていけたらと思っています」
第一原発にほど近い大熊町の集いでは、復興への誓いを込めた千羽鶴とともに、白い菊の花が供えられました。
式典に参加した児童「大切なものがなくなるのは悲しいとか手に入らないのかなと思うが、元気に生活したい」
式典に参加した児童「お父さんやお母さんがいるとか、家があるのが当たり前ではない」
あの日から14年、それぞれの思いを込めた3月11日です。