次世代半導体の量産を目指し、北海道千歳市で着工が進むラピダス。
いよいよ4月から半導体の試作が始まります。
9000億円以上の税金が投じられている、まさに国家プロジェクトですが、地域への影響や今後の展望を探りました。
先週、建設工事中のラピダスにHBCのカメラが単独で入りました。
工事が始まって1年半あまり。
工場の建築面積はおよそ5万7千平方メートルで、大和ハウスプレミストドームがすっぽりと収まる広さです。
建屋の工事のほか、装置の搬入も進められ、試作ラインの稼働に向けた工事は大詰めを迎えていました。
■「ラピダス効果」で企業進出、ホテル建設など“地域に潤い”
半導体は、スマートフォンや家電製品など私たちの生活に身近な電子機器を動かす必需品です。
ラピダスが製造を目指すのは回路線幅が2ナノメートルという最先端の半導体で、電子機器の「頭脳」の役割を担います。

ラピダス 小池淳義 社長
「いろいろな産業、農業やサービス業も含めて、中心にあるのはAIの半導体だ。新たな付加価値を生む第6次産業化を、北海道から全世界に展開していくことが重要だ」
そのラピダスのお膝元では…。
高橋智也記者
「JR千歳駅直結の商業施設です。東京エレクトロンやASMLといった国内外を代表する半導体関連企業が、オフィスをかまえています」
ラピダスの工場建設に伴い、千歳市には半導体関連の企業37社が進出。
進出を検討している企業を合わせるとおよそ100社に達します。

千歳市次世代半導体利点推進室 森周一 室長
「千歳市に現在立地している企業は280社ほど。それに対して100社というのは非常に大きい。さらに人が増え、企業が立地し、税収が上がる。その先に市民サービスが向上していく」
千歳市によりますと、ラピダスや周辺の装置メーカーの社員やその家族の転入などで、7800人ほど人口が増える見込みです。
ピーク時には10万2000人程度になると推計します。こうした需要の増加もあって、千歳市内には新たな商業施設「ランドブレイン千歳モール」がオープン。
敷地面積はおよそ5万7000平方メートルで、スーパーなど13テナントが軒を連ねます。
市内各地ではホテルやオフィスの建設ラッシュが進んでいました。
地域に潤いをもたらし始めた「ラピダス効果」。