私たちの暮らしを支える林業ですが多くの人にとって身近とは言い難い業界です。静岡市の林業家が、その閉鎖的なイメージを自分なりのスタイルで変えようとしています。
4代続く静岡市の林業家 安池勘司さんです。約260ヘクタールの森林を管理し、主に住宅用の材木となる丸太を作っています。
安池さんには林業家とは別の顔があります。
<安池林業 安池勘司さん>
「僕は地産地消って、人もそうでしょって思っていて。静岡で育った若者をもっと高めよう。で、活躍してもらう」
静岡を中心にアートや音楽などさまざまな分野で活躍する人を紹介するyoutubeチャンネルで月に1回パーソナリティーを務めています。本業の傍ら、林業と地域をつなごうとしています。
<安池さん>
「良いものを作って高く売りたいというのが今までの林業だったと思います。だけど、ここに使ってくれる人の喜んでる顔を考えなきゃいけない」
安池さんは地元の住宅メーカーと協力し、静岡産の木材で家を建てる人に向けて間伐の見学会を始めました。
<安池さん>
「大道芸よりすごいでしょ」
また、森林を人の集まる場所に変えようと地元のライダーと一緒にマウンテンバイクのコースを作るなど閉鎖的な林業のイメージを変えようとしています。
<安池さん>
「これがKAKERAくんです」
安池さんは地域のイベントで木の端材から生まれたキャラクター『KAKERAくん』をつくるワークショップを開いています。きっかけは地元の企業からのオファーでした。
<安池さん>
「SDGsの企画があるので何か林業と関係する、コミュニケーションするコンテンツはないですかって言われて、その時に何もなくて自分自身に残念さを感じて」
<安池さん>
「KAKERAくんてこういう人形。この子たちは静岡の家具や木工所の端材でできているんですよ」
<安池さん>
「家具を作ると必ず端材が出てくる。端材の子達は全部産業廃棄物として処分される。でもそういう子たちにも活躍できるようにしてあげたいなと思って」
<参加者>
「なかなかこんなにたくさん木に触らせてもらえることないと思うのですごく素敵です」
<参加者>
「木の廃材の生かされ方とかそういうところが素敵だなと思いました。においだったり温かさっていうものがあるので良かったです来られて。子供も夢中になっています」
<参加者>
「5回以上は来てる。部品をはめたり色を塗るのは楽しい」
<参加者>
「余った端材でこんなことができるなんて全く思っていなかったですし、余ったものを捨てられるのも知らなかったので自分自身も大人になって勉強になってます」
安池さんは2024年、KAKERAくんができるまでの絵本を自費出版しました。物語と絵を安池さんが手掛けました。
<安池さん>
「地域の人たちに必要とされたり愛されたいって思う。そのために皆さんに喜んでもらうことを考えて提案していく。これからはもっとより暮らしの中で身近な存在としていつでも皆さんに寄り添えるような事業になっていったらいいなと思う」