イチローの“地元” シアトルとの絆
殿堂入りの発表から約3時間後、マリナーズの本拠地・T-モバイル・パークには、多くの球団職員の姿が。「ICHIRO」と印刷されたプラカードを持っている人も多く見られた。

イチローが現れると歓声が沸き、「イチローコール」が鳴り響く。あまりの歓迎ぶりに、イチローからも笑みがこぼれた。そして主役は、地元・シアトルのメディアが待つ会見場へと入って行った。そこで語ったのは、地元・シアトルへの感謝だった。
イチロー:今日この日を迎えられたことは、言葉では言い表せないほどの気持ちです。2018年にシアトルに戻ってきたんですけど、そのときに迎え入れてくれたあの温かい気持ち。今回いろいろ振り返ってみたんですけど、2018年の(マリナーズの)開幕戦、もうトップ5に入るぐらいのハイライトでした。そのシアトルのファンの方々の前で、球団に対してもですね、出ていった選手をまた戻してくれた、その思いがとても嬉しかったですし、人の思いがこんなにも刺さるというか、自分がやったことというよりも、人のその気持ちがすごく、この歳になったからなのか、経験を経てなのか、そこはわからないんですけども、特別な関係になりましたね、あの2018年で。
愛着のあるシアトルで殿堂入りを果たしたイチローは、改めてその喜びをかみ締めた。
イチロー:僕はコツコツとヒットを重ねる選手。いろんなことをコツコツとやってきた人間ですけど、最後こんなとこに来られるんだなって。地道に重ねてきた結果、今日のこの日以上のものはない、プロ野球選手にとってはね。僕の中では(殿堂入りは)あり得ないことだったんだけれど、徐々に近づいてきた。一歩ずつ近づいていって、最後こんなとこに来たのかという実感が沸いてきましたね。
(第3回に続く)