小型店「TRIAL GO」で都市部攻略か
3つめの大きな狙いは「TRIAL GO」の本格展開だと、私は見ています。「TRIAL GO」は都市部で展開する面積1000平米以下の小型店で、顔認証などによる無人レジを始め、徹底的に自動化・省力化した店舗です。近くの大型店から作り立ての総菜や弁当を周辺の小型店に配送する方式を採っており、記者会見では、首都圏の西友の周辺に、こうした「TRIAL GO」を出店する方針を明らかにしました。
福岡では、「TRIAL GO」が出店した近接のコンビニの売り上げが激減する事象も起きたということです。トライアルのロ-スかつ重が299円と聞けば、それもわかる様な気がします。インフレが進む中で、都市部での小型店競争は一気に激しくなりそうです。
小売りの『主役』交代のピッチ早まるか
小売りの主役が総合スーパー(GSM)から、コンビニや専門チェーンに移ったのは、すでに過去の話。安泰と思われた食品分野でも、ディスカウンターや地域密着型新興スーパーが存在感を増しています。
永田取締役は「インフレでも、デフレでも、同じものであれば安いモノを買いたいというのは当たり前。それに応えるのが使命」と語っていました。トライアルによる西友買収の成否は、もちろん今後の取り組み次第でしょうが、小売りの主役が変わりつつあることを予感させています。
播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)