発生から14年となる東日本大震災。被災地の今を見つめる「つなぐ、つながる」です。14年前の東北地方太平洋沖地震では、これまでの地震学では「滑らない」と考えられていたプレート境界の「浅い部分」まで大きく滑り、巨大津波を発生させました。なぜ、プレート境界の「浅い部分」が大きく滑ったのでしょうか?
マグニチュード9.0という巨大地震。これまでプレート境界の浅い部分は「ひずみ」が蓄積されず、深い部分が一気にズレても浅い部分はほとんど動かないと考えられてきました。
しかし、2011年の東北の地震では浅い部分が一気に50メートルも動き、それが巨大津波を引き起こしていたのです。
それまでの定説を覆したこの現象を解き明かすため、JAMSTEC=海洋研究開発機構などは、地震の翌年、津波を引き起こしたプレートの浅い部分、水深7000メートル地点の掘削調査を行い、地盤の一部を採取しました。すると、プレート境界断層の浅い部分には『スメクタイト粘土』という火山灰の堆積物が全体の80%を占めていたことがわかったのです。
JAMSTEC高知コア研究所 濵田洋平さん
「スメクタイト粘土が多いと、水にぬれたときにヌルヌルになってしまう。これが断層に存在することで、断層の摩擦を下げているのではないかと考えている」
この装置は高い圧力をかけながら回転させ、摩擦力を測るもの。実際に地震が起きたのと同じ環境を再現します。
ここに東北の断層と同じ割合でスメクタイト粘土を挟み、プレートが通常沈み込む極めて遅い速度で力を加えたときと、東北の地震と同じく一気に力を加えたときの摩擦を比べます。
結果はプレートがゆっくり沈み込むときと地震で一気に滑るときの摩擦はほぼ同じで、非常に滑りやすいことがわかりました。では、南海トラフ地震でも同じように浅い部分も滑り、巨大津波は起きるのか。
実は南海トラフのプレート境界でも東北同様『スメクタイト粘土』は見つかっていますが、割合は東北よりはるかに低い全体の20%程度。しかし、実験の結果、地震の際は東北と同じくらい滑りやすいことがわかったのです。
JAMSTEC高知コア研究所 廣瀬丈洋所長
「東北と同じ(浅い部分も滑る)大きな地震が南海トラフで起こる可能性は非常に高い」
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