原発事故で全窯元が避難

「青ひび」と「走り駒」が特徴の大堀相馬焼。旧相馬藩の「浪江町大堀地区」で特産物として普及し、300年以上の伝統を誇ります。しかし、原発事故の影響で20数軒の窯元はすべて避難。「陶吉郎窯」も、ふるさとを離れての制作活動が続きました。

しかし、大堀地区の窯元の避難指示が解除されることになり、「陶吉郎窯」の近藤学さん(71)は、心を動かされました。

近藤さん(2024年当時)「自分がずっと大堀、大堀と思っていたというのもあって、じゃあ大堀に戻ろうと」

近藤さんは、窯元のうちただ一人、大堀に戻ることを決めました。そして、去年からふるさとで制作を再開。展示販売場もオープンし、帰還後初の企画展も行いました。

避難先のいわき市で制作する近藤さん(去年4月)

そんな近藤さんはいま、登り窯を再建したいわき市四倉町に住みながら、工房のある浪江町に通う生活を送っています。

近藤さん「車の運転は苦にはならないが、片道1時間のロスタイムがもったいないなと思っています」