タイヤをセンサーにする新技術 タイヤメーカーが仕掛ける戦略

アクティブトレッドと並びもう一つ、次世代戦略の柱となる開発を進めている。住友ゴムがもう一つの次世代戦略の柱として開発を進めているのが、タイヤをセンサーのように活用する「センシングコア」技術。

住友ゴム工業 山本悟社長:
私どもには「空気圧警報装置」という仕組みがあるが、うちのはハードセンサーを一切使わない。

――どうやって空気圧を?

住友ゴム工業 山本悟社長:
空気圧が減ると当然、径も変わったり、四輪の車輪速も、微妙な変化が生まれる。どこの空気圧が減っているかをソフトウェアで車輪速の変化から読み取る。センシングコアの元となるソフトウェアの空気圧警報装置が5000万台走っている。

走行中のタイヤから得られるデータを分析する、センシングコア技術では空気圧のほかにもタイヤの摩耗や荷重、脱輪の予兆などを察知することができる。

また、タイヤのグリップする度合いを計測することで、将来的には走っている路面の滑りやすさを地図上に反映させ、ドライバー同士で共有するサービスの実現を目指している。

――今風に言うと、素材メーカーのDXビジネスということか。

住友ゴム工業 山本悟社長:
ゴムの開発が中心だったが、「CASE」の時代にタイヤがどう役に立てるかを考えている。

――「センシングコア」。自動運転への活用は?

住友ゴム工業 山本悟社長:
社会のインフラと繋がりながら自動運転にも活用していく。すでに中国の蘇州で自動運転の実証実験をセンシングコアを装着してもらっている。

――伝統的な産業が最もイノベーティブな世界と繋がっている。

住友ゴム工業 山本悟社長:
路面と唯一接しているのはタイヤなので、タイヤの役割はますます強くなってくる。