素材を生かす技術開発とDXで… 老舗タイヤメーカーの次世代戦略

シンクロウェザーは、水と温度に反応して雪や氷の上では柔らかく、夏のアスファルトの上では硬さを保つという特徴がある。またオールシーズンタイヤとしては世界で初めて氷上性能の基準をクリアした「アイスグリップシンボル」を獲得。氷の上でも同じスタッドレスタイヤと同じぐらいの距離で止まることができる。
――タイヤの材質自体が変化して対応できるというところがすごい。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生 氏:
本当にサイエンスの時代だなと思う。「センシングコア」の技術のところはデータを取るという、データサイエンスが使われているということにびっくりした。

「センシングコア」は、現在開発が進められているこの技術。走行中の車輪から得られる情報を基に、空気圧や磨耗・荷重・脱輪予兆、さらに路面状況などを把握して運行管理者、ドライバー同士で共有することができるというソフトウェアシステム。
――空気圧が減っているマークはタイヤの空気圧を測っている車もあるが、車輪での微妙な変化でわかる。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生 氏:
「自動運転で(進化が)終わりだ」みたいに思っていたが、これまだまだどんどん車は進化する。
伝統的な素材産業で成熟していて、変わらないのではないかと思っている産業でも、新しいナノ技術やそれを解析する技術などによって、新しい素材がさらに進化していく。
――さらに「センシングコア」の面白いところは、素材産業がDX化できるということだ。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生 氏:
素材だけではなく、そこにデータや分析力を加えると、企業の競争力が高まる。簡単には真似できない技術なので、国際競争力が高まるということではないか。
(BS-TBS『Bizスクエア』 3月1日放送より)