「報われない世代」という言葉も…拡大する“世代内格差”
47歳・男性
「単純にうらやましい。我々のときは雇ってくれる会社はどこなんだろうみたいな」
氷河期世代からは、さらにこんな声も...
49歳・女性
「上にも下にも踏まれている感があります。昔は『下がやるもんだ』と思って生きてきたのに...」
1990年代半ばから2000年代初頭、未曾有の就職難に遭遇した「氷河期世代」
彼らは今、管理職、上司として新たな問題に直面します。
49歳・男性
「コンプライアンス研修も充実してきているので、学ばせてもらいつつ、感情をそのまま出さないようにしている。確かにつらいと思いますね」
49歳・女性
「下が入ってきたら『それは私たちの仕事じゃない』みたいな。自分がやるしかない」
「働き方改革」が進む中、無理な残業はさせられず、「コンプライアンス」に気を使う氷河期世代。
こうした状況にSNS上では「報われない世代」という言葉まで。さらに氷河期世代の中でも、こんな格差が生じているといいます。
東京大学 社会科学研究所 近藤絢子 教授
「お金持ちがどんどんお金持ちになっていくというよりは、貧しいところが広がっているという意味で格差が拡大した。“世代内格差”。非正規雇用や非常に賃金が低いような会社で働いている人が増えて、それが減らないまま来てしまっている」

氷河期世代の人口はおよそ2000万人。日本の総人口の6分の1にあたります。そしてこの世代が高齢者になったとき、とりわけ深刻な影響を受けるのは、実は今、売り手市場の恩恵を受けている若者たちだと、警鐘を鳴らします。
東京大学 社会科学研究所 近藤絢子 教授
「氷河期世代が高齢期になった時に、無視できない割合の人たちが、生活ができない水準の年金しか、もらえないということが起きる。生活保護が受け皿になるわけですが、高齢者の低年金を補填するために作られた制度ではない。今の若い人たちが人口が少ないので、上の盛大の人口が多いということは、社会保険料がのしかかることになる。氷河期世代が老後になる前に考えておかねばいけない」














