20代の賃金が増加する一方で、氷河期世代では「減少」も

いまや引く手あまたの若者たち。しかし、かつて就職に際して、今とは正反対の、苦境を味わった世代がいます。

今から30年ほど前…

バブル崩壊後の90年代半ばから2000年代はじめ。日本経済が苦境にあえぐ中、就職活動を行った、いわゆる「就職氷河期世代」です。

当時の就活生(1994年)
「バブルがはじけたことが自分の将来に関わってくることなんだと」

当時は未曾有の就職難。セミナー会場では通路に座り込む学生たちも。2003年には大学生の就職率が過去最低の55.1%に。

氷河期世代の苦難はその後も続きます。

以下は2019年~2024年の年代別所定内給与の増減率(大卒・第一生命経済研究所調べ)です。

20~24歳…+10.3%
25~29歳…+9.5%
30~34歳…+5.8%
35~39歳…+4.8%
40~44歳…+0.1%
45~49歳…+2.1%
50~54歳…-3.0%
55~59歳…+4.9%

過去5年間の賃金を見ても、20代が10%ほど増加する一方で、氷河期世代の伸びは少なく、50代前半ではむしろ減少しています。

そうした世代から見れば、今の学生の状況は隔世の感。

「売り手市場」「初任給30万」の時代に、氷河期世代からは...