故障などを理由に引退を決断

森選手は去年1月の能登半島地震で被災したこと。

また、足の故障など度重なるけがもあって、練習中にも思うように動けなくなったと感じることがあったと話し、区切りをつける決断し、去年12月に引退を発表しました。

引退セレモニー当日の2月24日、寒波の影響で雪が降るなど、悪天候にも関わらず会場には1200人を超えるファンが集まりました。

試合は両チームがその寒さを感じさせない熱いプレーを展開しましたが、富山ドリームスは25対28と惜しくも敗れ、ホームのファンの前で今シーズン待望の初勝利を挙げることはできませんでした。

試合後には森選手の引退セレモニーが開かれました。

引退のスピーチで「これまでのハンドボール人生のことを引退を宣言してから色々思い出しながらこの日を迎えました。楽しいことや辛かったこと、いろんな思い出がありますが、僕にとってはいい経験になりました」と20年にわたる選手生活を振り返りました。続けて「大好きなハンドボールに没頭できたこの時間は本当にいい思い出」と述べ、「新しいステージに向けてまた一つ、僕自身進んでいきたい」と次のステージへの決意を新たにしました。

最後に「たくさんの方に、しっかりとした報告ができたこと、そしてたくさんの方とこうやって繋がれたことは僕にとって本当に宝物です」と感謝を述べました。

富山ドリームスの代表理事を務める徳前紀和さんは「一番覚えているのは彼がまだ1年生のときのインターハイ。3年生がけがをして采配に困っていたが、キャリアをすでに持っていたので起用した。入部してまだ間もないのによく期待に応えてくれた。ありがとう。これからもよろしく」と労いの言葉をかけるとともに、これからの活躍も願いました。

「ハンドボールの聖地」と言われる地元の氷見市で競技を始め、地元で選手生活を終える…。こうした環境は多くない中、ドリームスは一つの役目を果たした瞬間でもありました。森選手の今後も地元に残り、引き続き企業に勤めながらチームの運営にも携わっていくということです。今度は現役選手から地元のハンドボーラーを支えるという新たなコートを駆け巡っていきます。

(チューリップテレビ記者 島津有希)