ピッチに立ち続け、戦い続けている「キングカズ」

厳しい環境で戦ってきたキャリアが「キングカズ」と呼ばれる男の今を作り上げた。ブラジルから日本に帰ってきてもJリーグ、日本代表と“カズ”のプレーがスタジアムを熱くさせてきた。日本代表で89試合、55得点。Jリーグでは575試合、163得点。6か国15クラブに所属してきた現在、出場機会こそ少なくなってはいるがピッチに立ち続け、戦い続けている。それでも、やはり…
三浦:
自分が予想してなかったような痛みとか…怪我もそうですね。そういうものが…気をつけてても、気をつけきれないというか、自分もわからないような、どうしてなったのかわからないような怪我もやっぱあるんですね…なんでだ。怪我した、その記憶がない。例えば打撲だったり、肉離れでもいろいろ筋肉の損傷した怪我だったりとか、そういうものってその瞬間だったりとかあるじゃないですか。それが次の日の練習とか、起きた時もそうですが、次の日の練習とかであれ、なんかおかしいぞって調べてみると損傷してたりとか、でもいつやったかわからない。本当にそういう現象ってあるので、それはもう本当にちょっと怖いというか、それが大変ですよね。

若い選手とバチバチやり合うのがやっぱ僕らにはいいんじゃないですかね

Q.もう限界かもと…思ったりする事はあるのか?
三浦:

限界というか、これ大丈夫かな“体は”と思う時はありました。起きた時に、今日練習やれるかな、それぐらいなんか、疲労もそうですし、痛みもそうですし、でも、やっぱ朝ご飯食べて、練習時間が近づいてくると、“だんだん、だんだん”体も温まってきて、ほぐれてきて、これなら今日もいけるぞっていう感じで行ける時もありますし…

グラウンドでは『おいカズ!右!左!』

いつでも万全の状態とはいかなくなった自身の体。それでも“まだまだ若い選手達には負けたくない” “もっとサッカーが上手くなりたい”と、年を経ることにその思いは一層強くなるという。
三浦:
サッカーってやっぱ年齢的なものもグラウンドに入ってしまうとあんまり上下関係もないじゃないですか。そういうのもすごく僕は好きですね。“先輩” “後輩” がない。グラウンド入ったら、もう、みんな、呼び捨てで名前言うし、指示をするし、50代の僕に対しても20代は『おいカズ!右!左!』みたいに指示が飛んでくるし…
Q.今も?
三浦:

そうですよ

若手とのエピソードでは顔がほころぶ

Q.“カズさん”ではない?
三浦:

もう練習が始まったら、ないです。でもグラウンドから出たら、みんな『カズさん、カズさん』って言うし、そのメリハリが僕は好きですね。そういう人達と一緒にいる事っていうのが、若さの秘訣というかね、大事じゃないですか。やっぱり、若い人達はエネルギーがありますからね…やっぱ若い選手とバチバチやり合うのがやっぱ僕らにはいいんじゃないですかね。