▽Mr.アンダーの意地なのか…

 少数与党となり国会の景色は変わった。熟議と公開が進みつつあることは良いことで、以前より国対の存在感は薄れつつあるようにも感じる。これまでも「国対政治」のあり方や永田町的な意思決定と一般社会との乖離が批判の的となってきただけに、政策決定過程の可視化が進むことは歓迎すべきことだ。ただいまの少数与党でハングパーラメントの状況を野党として生かし政策実現を勝ち取るには優れた交渉役が必要なこともまた事実である。

 そして、日本維新の会という若い政党と若い執行部が表の交渉だけでまっすぐに海千山千の自民党を相手にできるのかというと正直難しい面があるだろう。代表、共同代表を支え党内をまとめる胆力も必要だ。吉村代表も合意後の取材で遠藤氏の名前を挙げた。

 (日本維新の会 吉村洋文代表)「僕らもそんな完璧に整理できた政党ではありません。その中でも若手が一生懸命自分たちの公約を実現するために頑張り、そしてその経験不足のところを前原共同代表であったり、もしくは遠藤さんであったり、ベテランが支えるという形でここに至ったというふうに思います」

 3党首が合意文書にサインしたのを見届けた遠藤氏はそっと会場を後にした。

 今回、あえて自らの関りと交渉過程の一部を我々の取材に表にしたのはMr.アンダーとして国会を渡り歩いてきた意地と思いがあったのではないだろうか。


大八木友之(MBS東京報道部記者兼解説委員)

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