「高額療養費」負担額引き上げの狙いはどこに?

月々の医療費が上限に達せず、制度の対象外になる患者は、全国に少なくとも約8万人いるという現状もあり、上限を引き上げることで約5300億円削減する見込みがあるようです。

しかし、がん患者からは「病気だけでも不安。さらに金銭的な不安も抱えると辛い」、「高額療養費の上限が上がってしまえば、治療を諦める可能性があるかもと不安」との声も上がっているようです。

ホラン千秋キャスター:
多くの方の生きるチャンスを奪ってしまうかもしれないということで、大変大きな議論になっていますがどうお考えでしょうか?

東京歯科大学教授 寺嶋毅さん:
肺がんなど、治療費がとても高くなっているケースが増えています。医師がいいと思った治療を提案しても、経済的なことを心配して、適切な治療を断念したり躊躇したりする方がいることを経験しています。そういうことにはなって欲しくないなと思います。

萩谷麻衣子 弁護士:
今まで治療できていた人が治療できなくなるということは避けないといけないので、低所得世帯への配慮は絶対必要だと思います。ただ、現役世代への負担を軽くしなければいけないという要請もあって、そういった意味での見直しは必要だと思います。

例えば今、年収370万の人と年収770万の人の負担上限額は同程度だと思います。そういうことは細かく年収で分け、負担できる人が負担していく制度にしていくべきかなと思います。

ホランキャスター:
高額療養費というのは高齢世代もそうですが、小児医療にも大きく関わってくると思います。その点については、どうお考えでしょうか?

寺嶋毅さん:
お子さんも疾患によっては治療費が高いケースがあります。これからの未来もありますし、親御さんも決して収入が多いわけではないと思うので、負担が増えることのないようにしていただきたい。