「一生をかけて責任と向き合い続けて」少年を家庭裁判所へ移送

2月20日の横浜地裁

2月20日、横浜地裁は少年を家庭裁判所へ移送することを決定した。
決定の中で横浜地裁は、ほとんどの家事を少年が行っていたことなどから、少年の置かれた状況を「ネグレクトと評価しうる状態」と判断した上で「少年は両親からの愛情を実感できず、家庭内に居場所がないと感じていた」とした。

そして少年の育った環境や犯行に至った動機を考えると、「今回の犯行は両親による長年の不適切な養育がなければ起こらなかった」と、少年の主張する虐待・ネグレクトを認めた上で、それらがなければ、“事件は起こらなかった”とまで断じたのだ。

「両親殺害の責任は非常に重大であるものの、少年のみを責めることは相当ではない」

こうして裁判所は、少年には「相応の時間をかけて矯正教育が求められる」と、検察側が求めていた「刑罰」ではなく「保護処分」が相当として、家庭裁判所への移送を決定した。

今後、家庭裁判所で再び審判が開かれることになるが、検察は控訴することができないため、少年は少年院で矯正教育を受ける可能性が高い。

最後に裁判長は少年に声をかけた。

裁判長
「一生をかけてぜひ責任と向き合い続けて欲しい」

少年は無言で聞いていた。