埼玉県では1月下水道管の破損が原因とみられる道路の陥没でトラックが転落する事故が起きました。こうした中、道路陥没事故を防ごうと岩手県北上市で自治体職員向けの下水道管点検の見学会が行われました。

下水道管点検の見学会が行われたのは北上市相去町です。
見学会は年に一度定期的に県が開いているもので、花巻市や奥州市など4つの市と町から10人の自治体職員が参加しました。
点検は直径60センチのマンホールから深さ8メートルにある下水道管に降りて行われます。

作業員は土砂の堆積やコンクリートの腐食などを見て、修繕が必要な状態かを確認します。

1月28日、埼玉県八潮市では老朽化した下水道管の損傷が原因で道路が陥没する事故が発生しました。
この事故で男性1人が乗ったトラックが転落したほか、付近の住民およそ120万人に一時洗濯や入浴など下水道の使用自粛が求められる事態となりました。
点検が行われた下水道管は、県内複数の自治体の汚水をまとめて浄化センターへ送る幹となる下水道管で、県は特に腐食のおそれがあるおよそ120か所を年に一度点検することにしています。

(北上川上流流域下水道事務所施設整備課 高橋敏文課長)
「老朽化を起因とする陥没事故は絶対にあってはいけないもの。もし異常があれば詳細な調査に移行できる。(点検は)陥没事故を減らす意味で重要」

県内には下水道管の標準的な耐用年数と言われている50年を超えた下水道管もあり、県は今後も適切な頻度で点検を継続していくことにしています。