岩手県前沢町(現・奥州市)出身で、映像作家、版画家として活躍した森田純さんの版画作品を集めた展示会が岩手県奥州市で開かれています。

森田純さんは1931年生まれの前沢町出身の映像作家・版画家です。
大学卒業後、東京の学習研究社に入社。映画制作部に所属し、教育映画や記録映画の制作を行いました。
その後独立。民俗行事、民俗芸能などを映像として記録した作品を制作しました。
昭和42年に岩手県前沢町に帰郷し、映像作品を作る傍ら、版画作品を多く制作し、発表するようになりました。


会場には森田さんの版画作品およぞ30点が展示されています。
森田さんの版画は映像作品制作者出身らしく、今にも動き出しそうな感じで、登場人物の動きが迫力満点で描かれているのが特徴です。

森田さんの作品は、本人の言葉「どうしてもブコツ、オオザッパになってしまいますが、それがかえって面白い」にも表されているように、太い、力強い線で描かれ、それが味わい深さとなっています。

展示されている作品の一つ、森田さんの代表作「三人怒者」はユネスコ無形文化遺産に指定されている風流踊りの「川西大念仏剣舞」を題材にしたもので、前九年の戦い、後三年の戦いで命を落とした亡霊のやり切れない気持ちが独特の太い線で、迫力満点に描かれています。
担当した奥州市牛の博物館の主任学芸員、森本陽さんは「郷土を愛し、郷土に伝わる文化を版画で表現した森田純さんの世界を多くの人に味わってほしいです」と話していました。

この展示会は3月20日(木・祝)まで、奥州市の奥州市牛の博物館で行われています。