高校授業料の無償化をめぐり、与党と日本維新の会の協議が大詰めを迎えています。ただ、協議の進め方に自民党内から反発する声があがっています。

きょう午前、自民・公明・維新の3党の政策責任者らが会談。高校授業料の無償化に向けて、詰めの協議をおこないました。これに先立ち、自民党の小野寺政調会長と維新の前原共同代表が意見を擦り合わせるなど事態は一気に動き始めます。

きっかけは、きのう夜、前原氏が明かした自民側の“新たな提案”です。

日本維新の会 前原誠司 共同代表
「施設整備費や、あるいは高校生の奨学給付金を合わせれば5000億は超えてくると。こういった内々返答いただきました」

私立高校については来年4月から年間の支援額を45万7000円を基準に引き上げたうえで、奨学給付金の拡充や農業高校などの施設整備を充実させるという案で、予算規模は5000億円を超える見通しです。

大幅な譲歩を迫られている自民。党内からは厳しい声もあがっています。

自民党 萩生田光一 元文科大臣(きのう)
「バナナの叩き売りのように、金額を上げたり、下げたりすることが目的じゃなくて、野党のいいなりに押し倒されて、予算成立を急いだということになれば、将来に遺恨を残す」

一方の維新は、午後、幹部が協議しましたが、ここで状況が一変します。

日本維新の会 前原誠司 共同代表
「しっかりした形で参考人に対する質疑がおこなわなければ、我々は与党との話し合い、最終的な合意というものには至らない」

自民党安倍派の元会計責任者の参考人招致が決着しなければ合意しない考えを明らかに。これに自民党関係者は…

自民党関係者
「政策協議とは関係ない、まとめようとしていないってことだ。(維新は)党としての体をなしていないよ」

一方、年収「103万円の壁」引き上げに向けた協議では、自民党の提案に国民民主党の幹部が怒りをあらわに。

国民民主党 榛葉賀津也 幹事長
「あまりにも幹事長合意を馬鹿にしてるね。もう、国民も相当、失望を通り越して、怒りを感じているんじゃないですか」

午後開かれた与党と国民民主の3党の税制協議でも進展はありませんでした。

予算案の審議がヤマ場を迎えるなか、野党との交渉が土壇場で行き詰まりを見せています。