■ミニマリストの発祥は芸術? お片付け術じゃ終わらない…ミニマリストの新たなビジネス


ーー今後の展望などはありますか?

ミニマリストしぶとしては、やっぱり大前提はミニマリストやミニマリズムを良いって思ってくれる人が増えたら、僕も生きやすいし、僕の好きな考え方なので、純粋に広めていきたいという思いがあります。
物を減らしたらこういうメリットがあるなど、僕の活動ももう8年くらいやってきて、感覚的な所ですが、社会的にもある程度認められつつあるのかなと思っています。

次の段階として、今後は「デザイン」や「アート」としてミニマリズムを知ってもらいたいと思っています。
ミニマリストが流行ったのって、「片付け」や「掃除」などのライフハック的な意味で広まったと思うんですけど、実はミニマリズムというのは、「ミニマル・アート」という美術の分野から発達した概念なんです。
だから、僕は物を減らすこともそうなんですが、結構ミニマリストの部屋を見る事も好きなんです。美術館みたいにモノがない中に少数のモノがポツポツと置いてあって、そんな洗練された空間を見ていて気持ちいい、「美しい」と感じていて、
そういう「美しい」という感覚をもう少し突き詰めていきたいなと思っています。

さらに今、ある不動産会社から、新築のアパート1棟をしぶさん目線でデザインしてほしいというご依頼を頂いていて、デザインやアート方面で、もっとミニマリズムを広めていきたいと思っています。

ーーミニマリストしぶさんにとっての「理想の暮らし」とは?

「無駄を楽しむために、余白がある生活をする」ことが僕の理想です。

基本的に文化と言われるものって無駄なことが多いですよね。アートやファッション、スポーツ、グルメもそうです。質素なご飯でも生きていけるし、スポーツをしなくても、着飾らなくても別に生きてはいけるんだけど、それが楽しいかって言うと別に楽しくないじゃないですか。かといって、娯楽ばかりだと生活にゆとりがない状態に陥るし。

さらにお金や時間が無い時は、趣味や娯楽を楽しむ余裕がないと思うんです。
不安がつきまとったままだと、無駄なものって楽しめないので、
だからこそ、ミニマルな生活でとことん生活にゆとり作りつつ、「ゲームが好き」や「サウナが好き」など無駄なモノを楽しむために余白があるっていう状態が一番理想なのかなと思っています。

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ミニマリストしぶさんの、モノを買う時の基準は
「好き」ではなく、「大大大好き」なモノを選ぶそうだ。

確かに、ミニマリストしぶさんは、
一般的に必要とされているモノの多くを持ち合わせてはいないが、
自分にとって本当に必要なモノ、「大大大好き」なモノに囲まれて生活している。

幸せは「量」ではないと改めて実感させられた。