■「貯金は120万円まで」「手元にお金は残したくない」 ミニマリストしぶの「お金の価値観」とは?
ーー今、どんなお仕事をされていますか?
一つは、SNSでの発信。TwitterやInstagram、YouTube、TikTokなど、主要なものはやっています。ネタ探しとか、構成を作ったりとか、平日から土日まで、常に頭の片隅には(仕事のことが)ありますね。
休もうと思えばいつでも休めるんですけど、逆にずっと働こうと思えば会社員の方よりも、一日中仕事ができちゃうような仕事なので、基本的にはそういうSNS投稿する為のネタを考えている時間が長いですかね。
もう一つは、2018年に「Minimal Arts 株式会社」というアパレル商品や小物の販売を行う会社を設立して、商品開発に携わっています。
例えば、「手ぶら財布」というスマホカバーは、カードやお札が入る「財布」の機能もあり、「キーケース」にもなる、「スマホカバー」です。
機能性だけでなく色や質感など、ミニマルなデザインにもこだわって作っています。
ーー1か月にかかる生活費はいくらですか?
この前計算したら、8万円台とかでした。旅行に行ったりすると、もちろんそれ以上の出費が出る時もあるんですけど、基本的に家賃、水道代、光熱費、スマホ、あとスポーツジム代、あとサブスク関連で固定費だと8万円ちょっとですかね。
ーー貯金はどれくらいですか?
「生活費の1年分」っていうのを自分の中で決めていて、
固定費は約10万として、それが12か月分だから120万だけ貯金しています。
ミニマルな暮らしをしていくと、時間とかお金が余ってくるんですが、
そもそも手元にあまりお金を残したくなくて、だからYouTubeの企画や旅行に基本お金は使っています。
ご飯や読書もそうですが、モノとして残らない「コト」にお金は消費しています。
友達との「旅行での思い出」や「美味しい飲食店」、「肉体や美容」にお金を使うことの方が多いです。
「モノ」の消費はいつか劣化して壊れるかもしれないですけど、「コト」消費はずっと残り続けると思うんです。
■「人と比較しなくなった」一方で…「共同生活のハードルが上がった」 8年間ミニマリスト生活を続けた「ミニマリストしぶさん」が感じるメリット・デメリットとは?
ーーミニマリストになって良かったことはありますか?
一番は、「人と比較しなくなった」というのはありますね。
今までの自分のモノ選びや幸せの基準って、人から良く見られたいとか、置いてきぼりにされたくないみたいな感じだったんですよね。
でも本当の自分の幸せって、僕の場合はスポーツジムでサウナに入ることや、サブスクでアニメを見ること、あとは旅行も好きなんでLCCの格安航空を利用して旅するなどで、そんなにお金がかからないものばかりなんです。
他人から良く見られたいとか、置いてきぼりにされたくないみたいな幸せって、やっぱり、自分本位の幸せではないと思うから、ミニマリストな生活をしていく中で人と比較しなくなったというのは良かった点かなと思います。
ーー逆にミニマリストだからこそのデメリットはありますか?
デメリットは二つあると思っています。
まず一つ目は、共同生活のハードルが上がったという点です。
今、物が少ない空間が居心地がいいからこそ、そうじゃないと、ちょっとストレスになるなと思っています。
例えば、勝手に同居人のモノを捨てたり減らしたら、当然トラブルにもなるし、「一緒にモノを減らそうよ」と勧めることも、人によっては嫌だなと思う人もいると思うので、
ミニマリストに限った話ではないんですが、自分の趣味とか価値観を強要されると、ちょっとうざいじゃないですか。今後、結婚やパートナーなど、共同生活をするとなった時のハードルが上がった所が一つデメリットですかね。
二つ目は、モノを捨てすぎると不便になるという点です。
モノを捨てることや減らすことって、「買い物依存症」とある意味近いと思っていて、
「お金を使って何かを買う」ってすごく快感を得やすいんですけど、物を捨てることにも同じ快感があるんです。
やっぱり、家中の要らないモノやゴミを捨てると、周辺がすっきりして、すごく気持ちいいですよね。なんかそういう魔力というか、人をハマらせる中毒性みたいなものは、結構ミニマリズムにはあるかなと思っています。
僕はゲームも好きでNintendo Switch等のゲーム類を持っているんですけど、人によっては「ゲームいらないじゃん」とかも言われたりするんですね。
「モノを捨てなきゃいけない」「物の数をとにかく減らさなきゃいけない」っていう考えになると、そういった自分の好きなモノとかまで諦めちゃうことになるので、何事もやりすぎると不便になるという部分はあるかなと思っています。