ジャニー喜多川氏からの性被害を訴え補償の合意に至らなかった元所属タレントに、「SMILE-UP.」が補償金の支払い義務がないことなどの確認を求めた裁判がきょうから始まりました。

旧ジャニーズ事務所の「SMILE-UP.」は、被害者救済委員会を設けて、ジャニー喜多川氏からの性被害を訴えている元所属タレントへの補償を進めています。

「SMILE-UP.」は、補償の合意に至らなかった田中純弥さんら4人に対し、補償金の支払い義務がないことなどの確認を求める訴えを起こしていて、きょう、田中さんの裁判の第一回口頭弁論が開かれました。

被告側の田中さんは、「繰り返し性的虐待を受けたが、大人たちは見て見ぬふりで、何もしようとしなかった」と主張。性被害にあっていたとされる時期の自身の写真を裁判長に見せると、「(写真は)当時の僕です。笑顔で笑っていますが、大人たちに守ってもらえず、心はずっとずっと『助けてくれ』と叫んでいた」と話しました。

そのうえで、「多くの人が被害者救済委員会の枠組みでの解決を強制されている」として、声を震わせながら訴えを退けるよう求めました。

田中純弥さん
「一番は、なぜ被害者が訴えられなくてはいけないのか。(SMILE-UP.には)正々堂々と嘘なく向き合ってほしい」

田中さんら2人は去年、「SMILE-UP.」などにあわせて3億ドル以上の賠償を求める訴えをアメリカで起こしています。