■歯止めがかからない高齢化 自動運転バスが目指す役割は“動く集会所”

自然豊かな双海地区
海と山に囲まれた自然豊かな双海地区。しかし高齢化に歯止めがかからず、今年8月末時点で65歳以上の人が地区全体の半数を超えています。伊予市は、今後さらに高齢化が進み運転免許証を返納する人も増えると予測しています。

(バスを利用している双海地区の住民)
「免許証の自主返納に近い年齢になっているので、免許がなくてもこういう車に乗ってみたいなと思った。スーパーも地元にはないから車がないと生活できない。だから自分で運転しなくても動ける手段があればなと思う」


今回の実証実験は、このバスをきっかけに高齢者の外出を促し、地域での交流につなげられるか、その効果を検証する狙いもあるんです。

(伊予市 武智 邦典市長)
「小さなエリアの足、高齢者にとって200メートルはかなりの旅行。バスの中で健康についてお互いがお話できるし健康も維持できる、ある意味動く集会所。小さなエリアのコミュニティ形成の場がこの自動運転バスの特長であり利点だと思う」


■観光客もターゲットに 消費拡大につなげられるかー

バスに乗ろうと訪れた観光客も
一方、利用者のターゲットは住民だけではありません。徳島からバスに乗るために駆け付けたという男性も。

(徳島からの観光客)
「近未来の技術に触れてみたくて乗りに来た」


伊予市は観光スポットの一つとして市外から訪れた人にも利用してもらい、双海地区での消費拡大も目指しています。

(今治から来た人)
「道の駅ふたみに買い物に来て、偶然自動運転バスのバス停があるのを見つけてちょっと乗ってみようかなと。これがなければ山の方には行かなかったかなというのがあるので貴重な体験ができた」


人口減少が進む中、公共交通機関の維持は課題に
人口減少が課題となる中、公共交通機関をどう維持するのかー。近未来の車が伊予市の将来と温暖化防止の明るい光となるのかもしれません。