任期満了に伴う熊本県阿蘇市の市長選挙は、新人の松嶋和子(まつしま かずこ)氏(51)が接戦の末に現職を破り、初当選を決めました。県内で女性市長の誕生は初めてです。
阿蘇市長選は現職と新人の無所属候補による一騎打ちとなりましたが、新人で熊本県合志市の元職員、松嶋和子氏が、6回目の当選を目指した現職の佐藤義興(さとう よしおき)氏(75)を524票差破り、初めての当選を果たしました。

前回(2021年)は無投票で、3人の争いとなった2017年以来の選挙戦となりました。当日有権者数は2万177人で、投票率は前々回より1.7ポイント低い67.4%でした。
松嶋氏は市の財政健全化が必要だとして、ふるさと納税の強化による財源確保や、子育て支援や高齢者支援の拡充などを訴え、選挙戦を制しました。
佐藤氏は5期20年の実績を強調したうえで、訪日客や誘致企業で働く外国人などが阿蘇医療センターで滞在型健康診断を受けられる取り組みや、地下水を保全する仕組みの構築などを訴えましたが、及びませんでした。
熊本県内では初めての女性市長となる松嶋氏は「行財政改革に性別は関係ない」としたうえで、次のように述べました。
無・新 松嶋和子氏(51)「女性であることで今まで声を上げにくかった女性が話しかけやすい、声が上げやすいという影響があるのであれば喜ばしい」
阿蘇市で生まれた松嶋氏は、熊本県合志市の職員などを経て、早稲田大学の招聘研究員などを務めています。
松嶋氏の任期は3月6日に始まります。