「令和のコメ騒動」も値上げの要因に

そして、この春、再び値上げに。その要因は去年スーパーからコメが消えた「令和のコメ騒動」です。

農林水産省によりますと、コメ騒動後の新米の価格は前年より1.5倍に上昇しました。

ます寿司は酢飯の食感を良くするため、水分を多く含まない古米を使用する店舗が多く、古米から新米に切り替わるタイミングで次の値上げの波が来ると見られています。

富山ます寿し協同組合の理事長を務める大郷磨さんの「ますのすし本舗千歳」では――

富山ます寿し協同組合 大郷磨 理事長
「すし飯にするときにあまりべちょっとしない形がいいと思うので、寿司に関しては古米が合うと思う」

在庫がつきれば高い新米を使わなければならず、値上げは時間の問題です。

記者
「いつ頃米はなくなりますか?」
富山ます寿し協同組合 大郷磨 理事長
「ことしの夏から秋にかけて切り替わると思う」

大郷さんの店ではことしの夏ごろまでは古米の在庫がもちそうですが、すでに古米が切れて新米を使っている店もあり、3月から値上げが始まるということです。

富山ます寿し協同組合 大郷磨 理事長
「今でもかなり原材料費の占める割合が大きいが、これ以上やっぱり原材料費が高くなるとどうしても価格に転嫁せざるを得なくなる」

大郷さんが小学生だった30年以上前は1段1000円を切っていたという「ます寿司」。

富山県民に長く親しまれてきた富山のます寿司が高嶺の花にならいないことを祈るばかりです。

富山ます寿し協同組合 大郷磨 理事長
「ます寿司が本当に富山の伝統食なので、ご家族で食べてそれを代々伝えていただきたいというのもあるし、本当においしい商品ですので、これからも買い上げ、食べていただければ」