将来得られるはずだった収入めぐる裁判 両親は努力を訴えるも…地裁は「全労働者平均の85%」

安優香さんの両親は運転手と勤務先に対し、事故の責任を求め、6100万円あまりの損害賠償を求めて裁判を起こしました。

最大の争点となったのは「逸失利益=事故に遭わなければ、将来得られるはずだった収入」です。

裁判で両親側は、安優香さんが年齢相応の読み書きの能力を習得し、補聴器を使えば会話をすることができたなどとして、「逸失利益は健常者と同じように全労働者の平均年収をもとに算出すべき」と訴えました。

一方、運転手側は、聴覚障がい者の平均賃金をもとにするべきだとして、「逸失利益は全労働者の平均賃金のおよそ60%として算出すべき」と主張。

そして、一審の大阪地裁は2023年2月、「安優香さんの学力や意欲に照らせば様々な技術や手段を用い、コミュニケーションへの影響を小さくできた」として運転手と勤務先におよそ3700万円の賠償を命じました。

しかし、「労働能力が制限されうる程度の障害があったことは否めない」として、逸失利益については障がいを理由に「全労働者平均の85%にとどまる」と判断したのです。