今でも急にメンタルが落ちることも…
今、女性教員は心療内科に通いながら何とか出勤しています。担任は外してもらい、専科の教員として授業に絞った働き方になり、残業時間も減ったと言います。
担任の時に行っていた、トラブル対応や聞き取り、朝の会や帰りの会での指導、宿題の添削、給食指導や水泳指導、保護者会や個人面談、保護者からのクレーム対応、家庭訪問に提出物の催促、校外学習の際のバスの手配などはなくなりました。
それでも、急にメンタルが落ちることが今でもあり、診療内科への通院は続けています。

東京都内の公立小教員
「ちょっと子どもと嫌な雰囲気だったり、保護者から何か言われたりがあるだけで、一気に絶望の淵に立っちゃうというか…」
文科省は、今回の調査をふまえて学校での働き⽅改⾰の⼀層の推進や、メンタルヘルス対策の充実などを進めるとしていますが、課題は山積しています。
業務縮減でコーヒータイムを いじめ予防にもつながる
当連載で繰り返し述べてきた通り、「いじめ予防」には教員一人一人の日常における心身の健全さが欠かせません。発生したいじめが重大事態に深刻化するのを防ぎ、教員たちの心が折れないようにするためにも、教員同士の心の通ったサポート(支え合い)が実現するような環境整備が求められます。
去年(2024年)の年末、小中高校の教育内容の基準となる学習指導要領の改訂が、中教審(中央教育審議会)に諮問されました。10年に一度の改訂で注目されているのは、授業時間を柔軟に決めるなど「学校の裁量拡大」です。既に一部の学校で行われている、授業一コマを5分ずつ短くして、学校現場に時間的な余裕を持たせることも広がりそうです。そうした業務縮減への見直しにより、「コーヒータイム」のような、気軽に教員たちが何でも話せる時間確保の実現を願います。
国をはじめ、各教育委員会に学校現場、それぞれ、取り組むべきことがありそうです。