公立学校の教員のうち、精神疾患で休職している人の数が7000人を超え、過去最多を更新しました。心療内科に通院する現役の教員が取材に応じ、「今も一気に絶望の淵に立ってしまう」と苦しい胸の内を明かしました。心が折れたきっかけは2年前の「いじめ対応」でした。教員たちに何が求められているのでしょうか?

いじめとして対応した“ゲームでの仲間はずれ”

都内の公立小学校に勤める30代の女性教員です。心が折れたきっかけは2年前の「いじめ対応」でした。

東京都内の公立小教員
「うちのクラスの子がゲームで仲間はずれをしたことが発覚しました。そこで仲間はずれをしていた(いじめ)加害者の子を指導して、保護者に連絡したのですが、その方は『ゲーム中の仲間はずれはいじめではない』という主張をされました。良かれと思って指導したことが、保護者からクレームになって返ってきたことで、その親子との関係が悪くなり、私は“学校に行きたくない”ということが増えました」

学校による組織的対応も不十分な中、保護者からの激しいクレームを受けてから出勤したくなくなった女性教員は、心療内科を訪れます。すると医師から「抑うつ状態」と診断され、2か月間休むよう勧められました。この頃、悪夢を見ることが増えたと言います。

東京都内の公立小教員
「子どもたちが教室で騒いでいるのを注意しても全然静まらない夢とか、怒っても何度も同じことを繰り返してしまう子がいる夢とか、もうとにかく自分が怒鳴りつけているような夢ばかり見るようになっていました」