増え続ける精神疾患の教員
文科省の調査によると、精神疾患で病気休職している教員は3年連続で増え続け、2023年度は7119人と過去最多になりました。そのおよそ半数(47.8%)は20代と30代の教員です。

今回、文科省が初めて要因についても調査したところ、最も多かったのは、いじめ指導など「児童・生徒への指導に関する業務」で4人に1人(26.5%)の割合でした。特に20代~30代の教員がこの問題でメンタルに不調をきたしていることも分かりました。

普通のクラスにも対応が難しい子どもたち
精神疾患を患った30代の女性教員は、いじめ対応以外にも、「近年、普通の教室にも対応が難しい子どもたちが増えた」と言います。
文科省の調査(2022年)でも、読み書きや計算が難しいLD(学習障害)や、気が散りやすいADHD(注意欠如・多動症)、対人関係を築くのが苦手なASD(自閉スペクトラム症)といった発達障害の可能性のある児童生徒は、全国の公立小中学校の通常学級に8.8%いることがわかっています。10年前の前回調査より2.3ポイント増え、35人学級に3人の割合です。(「通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(文科省2022.12)」より)
東京都内の公立小教員
「衝動的に周りの子どもたちを殴る蹴る、暴言暴力が止まらない子がいたりします。特別に支援が必要な子たちもたくさん通常級の中にもいて、見なければならなくなっています。担任がその子どもたちを抱えて仕事をしている状態なので、本当に人が足りていないなと感じます」

いじめや不登校の問題に追われる中、教員が多様な生徒たち一人ひとりに十分な対応をするためにも学校内外によるサポートが必要だと訴えます。