■怒るおじさん、体目当てのおじさん…
2018年に出版した「おじさん取扱説明書」。夜の世界で繰り広げられた様々な体験談が赤裸々に綴られている。「決して自分だけの力で動いてきたわけではないんです。子どもを連れて上京したときも同級生に支えてもらった。そういう助けてくださいっていう声がでかいんです」
怒るおじさん、体目当てのおじさん…想像を絶する数々のトラブルに見舞われてきた鈴木セリーナ。それでもおじさんたちを否定しているわけではなく、むしろ味方にして、うまく利用しようとしている。
「その人のいいところを探す。悪いところを見つけようと思ったらいくらでも出てくるんですけど、いいところを見つけた方が自分も楽」

波乱万丈の人生を歩んできた鈴木セリーナ。「人生は“プラマイゼロ”」と笑う。
「今はその人が楽そうに見えるかも知れないけど、もしかしたらその人は過去にものすごく大変な思いをしてきたかもしれないし、もしかしたら引退した後に大変な思いをするかも知れない。絶対に私たちが知らないところで苦労を強いられるときが来ると思う」
女性経営者として活躍する鈴木セリーナだが、日本は依然「男社会」と断言した上で「権利を主張するフェミニストではないが、男女平等という前にお互いにリスペクトは必要。リスペクトがないから夫婦関係でも職場でも差別や偏見が生まれると思う」
鈴木セリーナ
大分県出身。幼少期から英才教育を受け育つ。高校中退し地元クラブのホステスに。二十歳で上京し銀座高級クラブで働く。その後、銀座老舗クラブに引き抜かれ売り上げナンバーワンに。ホステスを卒業後、2010年に株式会社apple ribbonを起業。代表取締役。2018年、銀座ホステス時代と起業後の経験を元に執筆した『おじさん取扱説明書』を刊行。