「私自身が老害になりつつあった…」そう語るのは銀座の高級クラブ元ホステスで、現在は経営者として活躍している鈴木セリーナ。広辞苑によると、老害とは「硬直した考え方の高齢者が指導的立場を占め、組織の活力が失われること」とされている。いわゆる“老害おじさん” について、ネット上には「威張る」「働かない」「説教が長い」「否定論者」「いつも見下す」など若い人たちからの悲痛な声であふれている。また、おじさんによるセクハラやパワハラ問題を取りあげるニュースも最近目立っている。とはいえ、仕事ができる一流のおじさんもたくさん存在する。果たして“おじさん”は天使なのか悪魔なのか?酸いも甘いも知り尽くした鈴木セリーナに聞いた。

おじさんたちの気持ちわかるけど…そもそもフィールド違う

18歳で出産し、二十歳の時に大分から上京した鈴木セリーナ。銀座にある老舗の高級クラブで売り上げナンバーワンとなる。その後、2010年に文房具や企業の商品PR企画などを扱う会社を立ち上げた。最近では若手と仕事をする機会が増え、自分自身が“老害”になりつつあったことを打ち明けた。

「やっぱり時代が違うっていうのはあると思う。昭和生まれは断崖絶壁を登りつめて認められる世代。だけど平成以降に生まれた人は整えられた草原を走っている」多くのおじさんたちと接し、観察力も磨いてきた彼女が分析する。


「おじさんでも頑張ってきたことがあり、この先に起こりうることがわかるから事前にしかも端的に言ってしまう。でも受け取り手の若者はまだこれからで、わからないし想像もつかない。おじさんたちの気持ちもわかるけど、フィールドが違うからそもそも理解されない」