福祉用品のレンタル事業を展開する大分の企業が、IT技術を組み合わせた様々なサービスの提供に取り組んでいます。地域課題の解決を目指す“近未来の介護”を取材しました。
大分県豊後大野市にある創業85年の「ナガヨシ」は、もともと呉服店として創業し、地域の衣料品店として親しまれてきましたが、2021年に閉店。1989年から手掛けている福祉用具のレンタル事業では大分県内シェア1位で、大分と福岡の8か所を拠点に事業を展開しています。

ナガヨシ 長吉友博社長:
「現在力を入れているのは、いろいろな機械に通信機能をついたものを提供することで、地域の介護の課題を解決できるようなサービスです」
介護業界で「IoT」の導入を進めるナガヨシ。登山者の遭難対策から生まれた新サービス「ココダヨ」は、端末にGPSと無線通信機能が併用されています。詳細な位置まで追跡できる機能が搭載されていて、認知症の人の徘徊に対しても効率的な捜索につなげることができます。
一方、見守りシステムは、部屋の天井に設置した専用機器のミリ波レーダーにより、利用者の位置情報を確認でき、呼吸や心拍数も自動で計測するという優れものです。カメラはなく、プライバシーが保護できるため、トイレや風呂場にも設置することができます。

ナガヨシ 長吉友博社長:
「特殊なレーダーを使っていて、利用者の位置や状態、移動している様子もわかります。ベッドの下に敷くタイプのセンサーが普及していますが、その半額くらいで設置できます。工事も必要がなく、通信環境は全部Wi-Fiを使用します」