今年(2025年)1月20日に、ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ合衆国大統領に就任。17年から第45代大統領を務め、20年の選挙でジョー・バイデン氏に敗れましたが、再び大統領に返り咲きました。

第1期トランプ政権といえば、21年1月6日に起きた連邦議会占拠事件。「選挙に不正があった」というトランプ氏の主張に煽られた支持者たちが、バイデン氏大統領就任の正式確定手続き中の連邦議会を襲撃し、議事堂を占拠。
選挙結果が受け容れがたいからといって実力行使に及ぶなんて。民主主義大国アメリカでのこの事件に非常にショックを受け、「偉大なアメリカ」というイメージに大きな疑問符がついたことをよく憶えています。

その後、23年8月にアメリカ連邦大陪審は、この事件に関わったとしてトランプ氏を起訴。「大統領経験者として米国史上初めて起訴」(朝日新聞、23年8月2日)されながら、そこから再出馬。
再選はないと思いきや、ふたを開けると「トランプ氏が七つの激戦州すべてを制し」「各州に割り振られた選挙人538人のうち、過半数(270人)を大きく超える312人の獲得を確実にし、2016年の初当選時(306人)も上回る結果」で当選(朝日新聞、24年11月12日)。

その直後の11月25日、トランプ裁判に関わる特別検察官が起訴の棄却を申し立て、「大統領選をめぐる事件では首都ワシントンの連邦地裁が25日、即日で申し立てを認め、起訴は棄却」に(朝日新聞、24年11月27日)。
さらに先日の就任演説で「バイデン政権が作り出した災難をひとつ残らず修復する」と語り、「20日の就任以来、30本を超える大統領令に署名」しています(朝日新聞、25年1月27日)。

大統領になれば、それまでのゴタゴタが一気に正当化されたり、不問に付されたり。これまでと正反対の政策に次から次へとゴーサインが出され、その権限の絶大さに驚きを超えて怖さを感じるほど。
しかし、アメリカ中がトランプ支持なわけではなく、国内の分断・対立も深刻だと言われるのはご存じの通り。支持者にとっては救世主でも、反対者にとっては悪魔のような存在かも知れません。