2024年にヒットしたドラマ『地面師たち』で、俳優ピエール瀧さん演じる元司法書士が関西弁で言い放つ「もうええでしょう」。静岡弁では「いいにする」といい、ドラマの中で使われた「中断」を含めて4つの意味があるのをご存知だろうか。

静岡県民の多くは無意識に使い分けるも、県外の人にはなかなか通じないとされるこの方言について、言語学者の谷口ジョイ静岡理工科大学教授とSBSの野路毅彦アナウンサーが対談、考察した。

「もうええでしょう」は、交渉を無理やり中断する言葉として注目され、「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞トップテン」にも選ばれた。

野路アナウンサーによると、関西弁の「もうええでしょう」は、静岡弁では「もういいにするか」「いいにしよう」と言い換えられる。ただ、「方言だと認識しないまま使っている静岡県民が多い」という。そもそも本当に方言なのか。

野路アナウンサーの問いに、谷口教授は「その通り」とうなずいた。谷口教授の研究室が2022年、全国の約1万人に調査をしたところ、「いいにする」は静岡県で最も使われ、県外では「まったく聞いたことがない」という地域が多かった。「地域特有の方言」と断言できるという。