<授業の様子>
「大学の授業の時は『尾っぽパン』はフレーク(ほぐし肉)でやったじゃない、今回はカツでいけそうな感じだね」
「カツが柔らかくて、のっぽパンも柔らかい食感で、でも噛み応えがあるので、すごく相性が合ってるなって」

静岡県にある常葉大学で学ぶ小森有紗さん。授業を通じて、新たなご当地グルメを考案しました。

<常葉大学造形学部3年 小森有紗さん>
「なかなか流通していないマグロの希少な部位の『尾の身』を、手軽においしく食べてもらいたくて、『のっぽパン』とコラボ、完成しました」

今回の「しずおか産」は、学生のアイデアが清水のマグロの「尾っぽ」と沼津の「のっぽパン」をつなげた新ご当地グルメ「マグロの尾の身カツのっぽ」。

<小森さん>
Q. マグロの尾の身は..
「真ん中にあるのは背骨ですね。マグロの尾ひれの根元の部分になります。1匹のマグロに1ヵ所しか取れない希少部位になっています」

遠洋マグロ漁では、鮮度を保つため冷凍する前に船の上で血抜きをします。切り落とす場所が尾びれの根元、「尾の身」です。

<小森さん>
「尾の身はコラーゲンが豊富で、ぷにぷにしておいしくて、身がしっかりしているので弾力もあって、噛み応えもあってもっと食べたくなる味です」

<東部総局 金原一隆記者>
「長さ34センチもあるのっぽパンにマグロの尾の身のカツが6個、いただきます。マグロの尾の身、とても弾力があって、でも歯がスッと通って柔らかくて食べやすいです。タルタルソースと尾の身のカツ、ものすごく合いますね」

清水港に大量に水揚げされるマグロの尾の身について困った事情がありました。

<マグロ漁船関連の総合商社 フジ物産 朝倉菜津子さん>
「マグロはずっと泳ぎ続ける魚なので、尻尾はスジが入っていたり、筋肉質で刺身になりにくい。捨てていたり、肥料に使われたり、人間が食べる用途ではない活用のされ方をしている」

尾の身をはじめ、利用していない部位が1年の航海で6.5トン出るマグロ船もあります。

<小森さん>
「『尾の身』の価値を再発見できるようにしたいなと試行錯誤した」

たくさんの人に気軽に食べてもらう方法はないか。企業の課題解決に取り組む『デザイン思考』を学ぶ小森さんは、2024年からマグロを扱うフジ物産と新商品づくりをはじめました。

そして2年目の2025年、静岡のご当地パン「のっぽ」で様々なコラボ商品を生み出す『バンデロール』が、開発に加わりました。

<バンデロール 冨田正昭さん>
「最初はフライパンでソテーしてサンドするアイデアだったんですが、味がバラついたり、大量生産に向かないので、フライにしたカツを提案しました」

尾の身は加工に手間がかかるため、水産加工会社もプロジェクトに協力。皮と骨を外し、一口サイズにします。切り分けた尾の身に衣をつけ、パン粉をまぶします。揚げて加熱することで、スジがコラーゲンに変わり、柔らかくなります。

<小森さん>
「ゴロッとした食感と弾力があって、見た目のインパクトも十分。マグロの尾の身をPRできる商品になったと思います」

<朝倉さん>
「マグロを頭から尻尾までおいしく食べる流れができて、フードロス削減につながるんじゃないかと」

小森さんはマグロの「尾っぽ」がおいしい「のっぽパン」で『尾っぽののっぽ』という語呂の良さを実現したい!という強い思いを持っていて、大変かわいいです。尾の身が利用できれば、漁船が廃棄する量も減るため、マグロ漁師にプラスになる考えがあります。

2025年11月1日、静岡市で開幕する「大道芸ワールドカップ」会場で販売開始。尾の身の味を知ってもらい、消費拡大・フードロス削減につながってほしいとしています。

【販売スケジュール】
2025年11月1日〜3日
静岡・呉服町名店街『のっぽショップin呉服町名店街』

2025年11月8日・9日
JR清水駅東口広場 清水港でのイベントにて

2025年11月23日
静岡市駿河区 大浜公園
学生主体イベント「トコハマルシェ」

2026年1月3日・4日
イオンモール富士宮『のっぽショップinイオンモール富士宮』

※当面の間、イベントでの限定販売。今後、富士市内のパンデロール店舗での販売も検討中

『マグロの尾の身カツのっぽ』1本850円(税込)

【問い合わせ先】
バンデロール 外商部 055−934−2800