一方で、訪問介護は利用者にとっては生活する上で必要不可欠です。

山口市の重田伸子さんは認知症などの影響で8年前から訪問介護を受けています。
夫の克美さんが家の中に手すりやローラーをつけたいすを作るなど自宅で献身的に介護してきました。

しかし、1人での介護には限界があります。

重田克美さん
「一番きつかったです。失禁したりすると汚れるでしょ着替えからなにまで全部1人でやらないといけない」

施設に入ってもらうことも考えましたが「家で生活したい」という伸子さんの思いを尊重して訪問介護のサービスを受けることを選択しました。

重田さん
「それが今の訪問介護で一番大事なところをサポートしてもらえるようになったからずいぶん楽になりました」
記者
「訪問介護がなかったら今の生活ってどうなってると思いますか」

重田さん「できんですよね。片方が動けなくなった状態の時には1人じゃ手が付かないですよ」

坂口さんも人の生活を支える仕事にやりがいを感じています。


坂口さん
「今こうやって重田さん(伸子さん)眠っておられますけど笑顔の時ってすごくかわいいんですよね、それを見られると帰りの車の中でもすごくうれしい気持ちになって、よかったなって思いますよね」

東京商工リサーチによると訪問介護事業者は人手不足の影響などで去年、全国で81件が倒産しました。
これは、過去最多の数字です。
訪問介護を受けたくても受けられない、と施設に入る人が多いといいます。

ニチイ学館徳山支店 矢野支店長
「お客様の生活そのものは変えずにちょっと手伝ってほしい所だけを専門職が入っていくことで生活自体が成り立って存続するところがあるので、訪問介護はすばらしいなって思うんですね。サービス一番高度なものと認識しているので、そういった事業所が増えればいいなと。そうすれば在宅在宅って戻ってくる可能性もあるのかなって思っています」

深刻な人手不足に頭を抱える訪問介護業界。基本報酬が引き下げられるなど苦しい現実があります。
必要とする人が必要な支援を受けられるように。誰にとっても無縁の問題ではありません。