「権力と戦いながら死ぬ」 亡くなる前日もラジオ出演

そんな森永さんが、がんを公表したのは2023年の年末でした。すい蔵がん、ステージ4。当時の様子について、2024年、Nスタの取材にこう答えていました。

井上キャスター「体調はいかがですか?」
森永さん「体調はだいぶ戻ってきましたね。体力は戻らないので、階段上がったりするのが難しい」

初めて抗がん剤治療を受けたときの心境については…

森永卓郎さん(2024年3月・当時66歳)
「抗がん剤を打った直後から急速に体調が悪化していって、翌日と翌々日はもう立っていられない、吐き気がする。このまま死ぬなって、人生の中で初めて思いました」

自らの壮絶な闘病体験も包み隠さずに話してくれた森永さん。

当初診断された「すい臓がん」は、その後、がんの転移はあるものの、最初に発生した臓器が分からない「原発不明がん」と診断が変わりました。

その後入院し、なんとか体調が回復すると活動を再開。

森永卓郎さん(2024年1月)
「最悪は脱して、今も原稿書いていますので」

テレビの収録にも参加しはじめていました。

当初、医師からはこんなことを告げられていました。

森永卓郎さん(2024年3月・当時66歳)
「このままだと桜は見られないですよと」

それでも、春には家族で桜を見ることができました。

闘病中もラジオなどに精力的に出演し続けてきた森永さん。2024年11月のイベントでは、その“仕事感”について語っていました。

森永卓郎さん(2024年11月・67歳)
「くだらない放送をずっとしているんですが、くだらない中身でもバットを振り抜くというのが我々の仕事だと思っている」

“生涯現役”を貫いた森永さん。亡くなる前日までラジオに出演し続けました。

森永卓郎さん(2025年1月27日・67歳)
「ちょっと容体が急変して、どうも本格的な転移が始まったようで、右の脇腹のところに一気に痛みが出てきたんですね。この1週間ほとんど何も食べていないのでパワーが無くなっちゃった。実感で言うと、そう長くもたないかもしれないというのが個人的な感想です」

その翌日の28日、体調が戻らないまま自宅で亡くなりました。

闘病中、2024年に書き上げた本「書いてはいけない」は、財務省の体質などに切り込む内容でした。そこに込められた思いは…

井上キャスター「次これやりたいんだってものがあれば」
森永さん「私はもう本当に戦い続けて死ぬって決めたんです。とにかく権力と戦いながら死ぬぞ」